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Vol.62「ポポの信頼?に応える?シラス」
【 コラム 】 2023.08.09
学びの応援コラム
楜 澤 晴 樹
令和5年 8月 9日
NO.62 「ポポの信頼?に応える?シラス」 |
毎日の猛暑、何とかならないものか。日差しの中に出たその瞬間、日焼けの類ではなく本当に肌が焼ける感じがする。
ここでしばし本号のテーマから脱線することになるが、後ほど登場する猫とインコに関する若干の前置きをしたい。
中学校理科では、動物の分類の学習で、脊椎動物を5つの仲間(魚類、両生類、爬(は)虫類、鳥類、哺乳類)に分けている。体表の様子、呼吸の仕方、生活場所、運動の器官、子の生まれ方などの特徴を分類の観点や基準にしたものだ。5つの仲間のうち、外気温が変化しても体温をほぼ一定に保つことができる恒温動物は、鳥類と哺乳類の2つである(例外もあるが)。私たち人間は、この恒温動物だが、もはやこの猛暑は自力で身を守るのが困難なレベルになってきている。体温をほぼ一定に保つために備えている、発汗をはじめとした冷却機能だけでは太刀打ちできない事態もあるので注意したい。
さて、そろそろ本題に入ろう。下の写真はインコと猫で、先に述べたように両方とも恒温動物である。娘のところで飼っているペットで、インコが「ポポ」、猫が「シラス」と名付けられている。彼らの体表を覆う羽毛や毛は、保温機能に優れているだけに、この暑さをしのぐのは大変だろうと察する。
ところで、この写真をご覧になって、何か疑問に思われることはないだろうか?
〇 ポポとシラスの微笑ましいショット
ポポは、古株のシラスと違って娘の家で飼われ始めてからまだ2年も経たない新参者だが、時々ケージから出してあげて広い空間で自由に遊ばせるのが健康上よいのだそうだ。私は初めてその場面に遭遇して、「シラスにやられちゃうんじゃないの?」と心配した。現に、羽ばたいて近づくポポに猫パンチを浴びせるシラスの振る舞いも目撃した。娘は平然と、「本気じゃないから大丈夫」と言うが、猫がそんなに信頼できるものか疑問であった。
その数か月後、インコと猫の仲良しコンビ(写真)が私を驚かせた。当初の私の心配は取り越し苦労で済んだ。
〇 ポポの信頼?に応える?シラス
本コラム51号「信頼に応えて」で、私が外務省の派遣でリオ・デ・ジャネイロ日本人学校にお世話になっていた折、日本人として厚い信頼を受ける中で、自分の中に「日本の顔」としての自覚が自然に生まれ、その信頼に一生懸命応えたという事例を紹介した。
さて、先の写真の話に戻るが、私は彼らの微笑ましい光景の中に、信頼を寄せるポポとその信頼に応えるシラスという素敵な筋書きをみた気がした。ブラジルで日本人に寄せられた厚い信頼に全身全霊で応えようとした自分のありようがそこに重なるのだ。
ポポはシラスの背中が大のお気に入り。警戒心のかけらも見受けられない。そしてその信頼?に応える?かのように、シラスはいつも快く背を貸してやっている。