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Vol.53「一 〇 八 〇」・・・(〇に入る漢字は?)

【 コラム 】 2023.04.05

学びの応援コラム

楜 澤  晴 樹

令和5年 4月 5日

 

NO.53 「一 」・・・(に入る漢字は?)

 

令和5年度のスタートだ。本コラムも2年目に入る。「学びの応援」を基本テーマにしてきたわけだが、何人かの読者から頂戴したお声に、「応援されるコラム」でもあるなと感じさせていただき感謝している。

 

ところで、この1年間の発信を振り返って、現時点で2点改善しようと思っている。まず各号の字数だ。平均2000字程度というのは、コラムとしては長過ぎるように思う。字数は決めないが、とりわけ時間に追われながらもご愛読いただいている読者諸氏に配慮したい。その昔校長になった時、当時大学生だった甥っ子から貴重な助言を受けた。「おじちゃん、校長講話は短い方がいいよ。その方が心に残るから。」というもの。改めて心したい。

 

2点目は、発信の頻度だ。基本週1のペースは「ご馳走」感が薄まる。「質素な食事」も腹が減ればおいしく頂けるものである。新年度は隔週を基本に考えている。

 

 

さて、新年度、様々な目標をもって決意を新たにされていることと思うが、以前本コラム18号「米粒の努力」で述べた、「目標は行動目標にまで」を改めて大事にしてほしいと思う。新たな挑戦を始めようとしているこの時、本号では少し警鐘を鳴らしてみたい。大きく目指すところを具現するための行動目標が曖昧で、日々の実践が伴わないと、成果は期待できないという話になる。

 

 

〇 「一」のにはどんな漢字が入るだろうか?

 

ある時、この問いを中学生に投げかけてみた。多くの個性的な創作四字熟語に出合えて実に面白かった。

「一日八杯」、「一日八善」、「一問八点」、「一転八起」、「一人八回」、「一尺八寸」、・・・。

 

 

遊び心は尽きなかったが、そこで、紙を貼って隠していた2文字を披露し、話の本題に入った。

 

 

〇 一分八間(一ぶ八けん)

 

弓道の世界ではお馴染みの四字熟語だ。手元で一分(約3mm)狂って射られた矢は到達地点では八間(約14.6m)もずれるという意味だが、その訓えるところはいろいろな場面にあてはめられる。例えば、ある宮大工の棟梁からお聞きしたことだが、神社等の建築では、通常の建築物では見られないような長い梁を造作し組み込むことが多く、「一分八間」を大事にして手元のわずかな狂いも許さない仕事をされているとのこと。

 

 

〇 到達目標達成のための行動目標を

 

新年度の出発に当たり、学習、部活動、習い事、進路、・・・等々それぞれに目標を立てていると思うが、その目指すところを達成するための日常の行動目標は明確になっているだろうか。大きな目標に向かって今何を為すか、そこを大事にして実践を積み上げていきたい。

 

例えば「全国大会出場」という到達目標を掲げても、それを達成するために今すべきことが決め出され実践されていかなければ絵に描いた餅で終わる可能性大だ。出発時の小さなずれはやがて大きなずれとなり残念な結果を招く。

 

 

NHKのチコちゃんには「ボーっと生きてんじゃねーよ」と頭から湯気を出して叱られるが、「一分八間」は、ボーっと生きているとどうなるかをクールに諭してくれる警鐘ではないかと思う。